東京高等裁判所 昭和43年(行ケ)129号 判決
原告は、特許庁が昭和四三年七月一一日原告を再審請求人とする同庁昭和三九年再審第一号事件(特許願拒絶査定不服抗告審判の確定審決に対する再審請求事件)についてした「本件再審の請求を却下する」との審決の取消を求めて,本訴請求に及んだものであるところ、本件訴状(原告提出の昭和四三年九月一七日付書面)および当裁判所の調査嘱託に対する特許庁審判部書記課長松沢統作成の回答書(昭和四三年一〇月一七日付。郵便送達報告書写添付。)の各記載ならびに右訴状に右訴状に押された当裁判所受付日付印によれば、右審決の謄本は、昭和四三年八月一六日原告に送達されたことおよび本件訴状の提出による訴提起の日は同年九月二〇日であることが明らかである。
ところで、原告の前記訴状および当裁判所あて昭和四三年九月二三日付書面には、「原告が昭和四三年七月一七日急性心臓病のため旭川市永山町赤坂医院に入院し、この病気のため本訴の提起が延引した」という趣旨の記載があり、本件訴の出訴期間の徒過について民事訴訟法第一五九条による訴訟行為の追完を主張するもののように解されるが、当裁判所の調査嘱託に対する右赤坂医院々長赤坂稔作成の回答書(昭和四四年一月一六日付)によれば、昭和四三年八月一六日(前記本件審決謄本送達の日)から三〇日間の原告の症状は、右審決に対する取消の訴をなんらかの措置によつて同期間内に提起することができないほどのものではなかつたことが認められるので、この追完の主張を採用することはできない。
したがつて、本訴は、特許法第一七八条第三項に規定された三〇日の出訴期間経過後に提起された不適法のものであり、その欠缺が補正できない場合に該当する。